当社のねじが高品質である理由のひとつに、最も基本的な事実があります。それは、興津螺旋のねじはすべて興津螺旋の自社工場内で作られているということです。ねじメーカーの中には、販売する製品の一部または全体を協力会社(下請け業者のこと)に生産委託する会社もあります。いわゆるOEMです。それ自体はよくあることで、問題のあるビジネス形態ではありません。
しかし当社がOEMを選択せず、内製にこだわるのは、材料の受け入れから製造工程の全てに於いて、確実に責任を持つことが重要だと思っているからです。
製造については独自の社内規格に基づくため、元々OEMは難しいのですが、それよりも
精度が確実に管理された設備で生産をするという意味で、内製にこだわっています。
しかしもっと重要なのは、原材料の素性に対して責任を持つことです。2005年の終わりに発覚した耐震偽装問題、後を絶たない食品偽装問題のニュースを見て、あれを対岸の火事とはとても思えません。
ステンレス材料にも同様の危険はあるのです。これまでステンレスねじ業界においては、日本国内の材料を使うねじメーカーがほとんどでしたが、最近ではコストダウンのために海外のステンレス材料を使うところが出てきました。これがエスカレートして、ねじを製品で海外から輸入して自社のラベルを貼り、自社製品として販売するメーカーも既にあるかも知れません。ここまでいくとやりすぎだと思います。ユーザーを騙す行為とも取られかねません。出来上がったねじを見て材料が日本製かそうでないかを判別することは極めて困難です。
別に、日本の材料を使わなくても日本国内で作ったねじなら「MADE IN JAPAN」と言っても差し支えはないかも知れません。しかし、いくら海外の材料の品質が向上しているとはいっても、その品質レベルは現時点で日本製と同じように安心できるレベルでしょうか?
私たち日本人は、お金を払えば要求通りのものが手に入るのが当たり前と思っていますが、それは日本だから通用する感覚であり、日本以外では必ずしもそうとは限らないことを忘れてはいけないのだと思います。材料の証明書を入手しても内容が真実ではないことも…
もしもねじを使うのが自分なら、迷わずその材料を使うと断言できるものを選ぶべきです。そう考えると、本当に信頼できるルートで調達した材料だけしか使用できないのです。
当社のねじの材料は、100パーセント日本のステンレス材料メーカーから購入しています。日本製だから安心、海外のものだから心配、そのような単純な考えではありません。高品質な材料の供給を継続し、万一トラブルが発生してもきちんと対応して頂いている、長年のそういう実績から築いた信頼関係が本当の安心感をもたらすのだと考えています。
材料から製造工程までを掌握することで、混じりけのないホンモノのステンレスねじをお客様に提供する。現時点で最高の素材を使い、最高の製品を作りたい。そういう意味が当社製品の「MADE IN JAPAN」の文字に込められています。