当社の競技用チタン合金ボルト(以下TABC)シリーズはどれも高額です。高い代金を頂く代わりに、絶対に満足できる製品づくりを心掛けております。しかし標準品のTABCでは満足できず、特別仕様をご希望のお客様もいらっしゃいます。
今回はお客様から特別に許可を頂くことができたので、カスタム事例を紹介します。K様の愛車はアルファロメオ ジュリア2000GTV。所謂旧車の、歴史に残る名車です。車庫保管で雨の日には乗らないというピカピカのジュリアにクルマへの愛情を感じます。
高級ステアリングのヘレボーレレプリカに当社のステアリングボルトを選んで頂きました。こういう名車にTABCを使っていただけるのは光栄です。
オリジナリティを高めるために、LH-SSボルトにイニシャルを入れたいとのご希望。エンデューロレースのバイク用に試作したβ刻印レスのボルトがあったので、それを加工して世界に1セットだけのステアリングボルトを作ることになりました。
できあがったカスタムボルトがこれです。LH-SSのステアリングボルト。
長さを切削加工で調整し、頭部にレーザーマーキングでイニシャルを入れました。
「RK」は2頭の愛犬の名前とのこと。K様は犬好きでもあるそうです。
納品後、K様のご厚意で装着したボルトの写真を送っていただきました。
今回は敢えて発色処理はせず、チタン合金そのものの素材の色で仕上げました。
クラシカルな雰囲気を壊したくないというK様の意向でした。正解だったようです。
製品の品質にも大層満足していただいたようで、ひとまず安心しました。
さらに後日、テストドライブ後のK様から喜びのインプレッションが届きました。
-----------------------------------以下抜粋-----------------------------------
一番最初の感覚は、「あれ? ステアリングが軽くなった」であった。
実際に軽くなることはおそらく無いのだろうが、軽く感じさせる何かがあるのだろう。
(中略)今回のボルトが素晴らしく剛性が高いので、感触的には遊びが無くなった感じ。
ステアリングを回したら回した分だけタイヤにその力が伝わるような印象。
反対に、タイヤのグリップしている情報も直接ステアリングに伝わってくる。
(中略)路面の継ぎ目をタタンと通過したとき、
ステアリングにその振動というか乗り越えた感触が正確に伝わってくるのが分かる。
----------------------------------------------------------------------------------
まさしく、チタン合金ボルトにより締結剛性の向上を体感したときの表現です。
ステアリングにパワーアシストがなく、構造がシンプルなジュリアには
チタン合金ステアリングボルトは相性が良かったみたいです。
人がなかなか気付かないところに、自分だけのこだわりを主張するのがK様流。
チタンボルトに合わせて、エルメスのリボンをあしらうというチラ見せ技。
ボルト頭部のマーキングも含め、大人のオシャレのお手本です。
多大なご協力をいただきましたK様、ありがとうございます。
素敵なカーライフをお楽しみください。
当社では高いこだわりを持ったお客様のために、カスタムオーダーも承っています。
自分だけの宝物を持つ喜び、乗り物を操る楽しさ、無駄のカッコよさ・・・
興津螺旋のTABCシリーズは、そういうものを大切にするお客様のためにあります。