中でも印象深かった、初出展のサイクルモード2013についてレポートします。
当社の競技用チタン合金ボルトは、乗って初めて効果を体感できる製品です。
ですから試乗施設を備えたサイクルモードはチタン合金ボルトの効果を知っていただく貴重なチャンスととらえていました。
ロードバイク、MTBの試乗車を2台ずつ用意して、ノーマル車とチタン合金ボルト装着車を乗り比べてもらうことにしました。乗り比べの企画は初めての試みです。
追い風になったのはメディアの皆様の反応です。サイクルモードにねじ工場が出展すること自体が異例で、開催前から話題となり、雑誌でも取り上げてくださいました。
これが当社のブース。チタン合金ボルト製品と当社の展示車、そしてMTBダウンヒルの昨年度シリーズチャンピオンの井手川直樹プロの自転車とギアを展示してお客様をお迎えしました。

当社ブースは盛況。3日間で80名ほどのお客様が試乗車をテストしてくださいました。ノーマル車とチタン車の乗り比べですから、試乗数は160回に及びました。
結果として、およそ9割のお客様がチタン合金ボルトの効果を感じてくださり、そのうち半数からは「同じ自転車とは思えない」と驚きのコメントをいただきました。
多くの方はブレーキの初期タッチの変化、コントロール性能の変化(軽快さ)を高く評価してくださいました。
ショップ様や選手によるサポート、プロライダーのご来場など、多くの方々によるご協力のおかげをもちましてイベントは大成功を収めました。
しかし課題は山積しています。一番の課題はチタンに対する一般的な解釈への対応と、、粗悪品や低グレード品との差別化です。
自転車業界にはチタン部品が少なからず流通していますが、それらは必ずしも良いものばかりではないこと。とくに社外パーツの付属品としてのチタンボルトには折損したり焼き付いたりするケースがあるようです。
当社ブースの来場者からも「チタンは折れやすいんでしょう」とか「チタンはかじるのでグリスを塗らないと・・・」という質問をいただきました。
当社のチタン合金ボルトは耐衝撃性に優れるβ153合金を採用しており、指定トルクさえ守れば折れる危険は極めて低いのです。また強度についても鉄の焼き入れボルトの8.8という強度を満足できるよう、当社の要求スペックを指定して素材を調達しておりますので他社製とは異なります。グリスも必要ありません。
次に、価格の問題です。上記のようなスペックを保証するためには素材、技術(設備、金型、職人)すべてにおいて妥協は許されません。最高の条件で生み出される製品ですから、どうしても高コストになってしまいます。しかしながら、素材価格だけでも6‐4チタン合金の4倍近いにもかかわらず、製品価格では6‐4製品より低く抑えることができるのは冷間圧造という製造技術によるものです。(冷間圧造については以前の記事に詳しく掲載しております)
ましてや当社の製品は体感できる違いを売りにしておりますが、全ての個所をチタン化する必要はなく、ステムとディスクブレーキのボルト交換だけでも自転車の特性を変化させるには十分です。まずは少しずつ交換してからステップアップしていくことをお勧めいたします。

乗り比べ、体感していただき、高級ボルトの価値をご理解いただけると幸いです。
これからも最高の製品をお客様にお使いいただけるよう、技術を磨いていきますので、応援をよろしくお願い申し上げます。
最後に、ご来場いただきましたお客様。初めての出展で皆様にはご不便をおかけしたかもしれませんが、皆様の温かいご支援のおかげで最高の展示会になりました。ありがとうございます。